対面授業の熱を
オンラインへ。

総合職 オンライン校校長 | 岩倉 芙美佳(2017年入社)

教育や社会について
どんな問題意識や
関心がありましたか?

A. 自発的な成功体験が少ない。

A.自発的な成功体験が
 少ない。

正直なところ、就職活動を始めるまでは「問題意識」というほど自分事としてはとらえられていませんでした。教育業界への就職を考えだしてから初めて“子どもたちにどんな経験をしてもらいたいか”を考えるようになりました。「教育」という貢献軸に関心を持ったのは小5年生のときの経験がきっかけです。算数の時間に、早く解き終わった児童は他の児童が解くサポートをするという取り組みがあり、その時間がとても好きでした。単純に答えを教えてしまうのではなく、解き方を自分で思いつけるような「考える手助け」をするのです。いま思えば、コーチングのような教え方をして実際に友達が「わかった!」となるのを見るのは非常に気持ちの良いものでした。この原体験を踏まえたうえでお話しすると、昨今は「自己肯定感が低い」「自信や夢がない」とよく言われますが、私はその原因のひとつを『自発的な成功体験が少ないこと』だと捉え、自分の働く業界に教育業界を選びました。

どんな価値観や
姿勢をもって生徒と
向き合っていますか?

A. 「指導」でも「誘導」でもなく自己決定を。

A.「指導」でも
「誘導」でもなく
 自己決定を。

実際に生徒と直接かかわるスタッフに浸透させたい価値観のキーワードは「自己決定感」「成功体験」です。結果がどう出るかよりも、そのプロセスに後悔がないか、プロセスから何かを得た実感があるかがその後の人生選択に大きな影響を与えると思っています。生徒自身が「今」や「目標」をどう考えているかを必ず確認し、想いを理解し、足並みをそろえる。当然ながら否定はしない。「指示」でも「誘導」でもなく「相談したうえでの自己決定」になるように意識して、日々発信しています。大事なのは『自分の選択や努力でできるようになった経験』をたくさんすることでしょう。あのとき自分はあんなに頑張れた…あの経験があるのだから今回の選択も果敢にチャレンジしよう!そう思えることは、その生徒の人生が豊かになることだと確信しています。

「社会にとって
 意味のある仕事だ」
と実感した瞬間は?

A. コロナ禍で立ち上げた55段階オンライン。

A.コロナ禍で立ち上げた
 55段階オンライン。

四谷学院の「ダブル教育」の良さが全国・海外に広まってきていることです。四谷学院はもともと「面授」にこだわっていて、オンライン指導を積極展開していませんでした。ところがコロナ禍で自宅から出られなくなった生徒たちに、1日でも早く「面授」できる授業を届けたい一心で、緊急事態宣言が発令されてから1か月弱の2020年4月23日に55段階オンラインを始動しました(私はその開発チームの一員に任命していただき、そこからの系譜で今はオンライン校の校長をしています)。翌年2021年度には、近くに四谷学院の校舎がない生徒の受け入れも開始しました。海外にお住まいだけど日本の大学を受験したいという生徒さんの受講も徐々に増えていて、国立医学部や難関大への合格報告が届いています。私はもとより「ダブル教育」の理念に共感して入社していますが、より多様な方にそれが広まっていく場面に立ち会えたことをうれしく思います。

自己肯定感が低かった
生徒が変化していった
エピソードは?

A. 「こんなに頑張った自分をほめてあげたい」

A.「こんなに
頑張った自分を
 ほめてあげたい」

入社1年目でコンサルタントを担当したHさんは、非常に控えめで、受け答えはしっかりしているものの表情は愛想笑い…というタイプ。自分に自信がなく、「もっと頑張らなきゃ…」と睡眠時間を削る生徒でした。私は特に話しかけ、とにかく褒めるよう意識しました。Hさんから卒業後にもらった手紙には、『最初は、この人はなんでこんなに話しかけてくるんだろうと思っていました。そっけない態度ですみません(笑)いつしか、岩倉先生ならなんでも聞いてもらえるかもと思えるようになりました。他の生徒さんの何倍も面談してもらってすみません(笑)』と書いてありました。途中で前向きな志望校変更もあった生徒で、そのときは学校の先生や保護者よりもまず私に相談してくれるほどの信頼関係が築けていました。Hさんは昨年度に薬剤師国家試験に見事合格し、2025年度から薬剤師として働いているのですが、国家試験合格後もわざわざ報告に来てくれました。「人生で一番勉強しました。こんなに頑張ったので自分をほめてあげたい」と恥ずかしそうに言ってくれたのがとてもうれしかったです。

仕事を通じて、
自分はどのように
成長した?

A. いつも最善策を妥協せずに考えるように。

A.いつも最善策を
妥協せずに
 考えるように。

私自身はもともと悪い意味で器用なタイプで、「これ苦手かも」と思ったことはうまく避けて通る人生を送っていました。友達付き合いでも、ケンカしたくないから先に謝ってしまっていたタイプです。ただ、どんなに苦手な科目でも、目標のためにがんばる生徒たちを見る中で、自分も学生時代にもっと挑戦していたらな、と思う機会がたくさんあります。目先の大変さや困ったことを「排除」することで取り除くのは簡単です。ただ、それは根本解決にはなりません。校長という立場でスタッフと接する機会が増えてより感じることでもあります。改めて志望校やなりたい姿から逆算し、いまそのことに直面していることの意味を考え、いまとる最善策を妥協せずに一緒に考えることが、どんな場面においても自然とできるようになったことは成長だと思います。

最後に、仕事と
子育ての両立は
できていますか?

A. 「制度を使える雰囲気」があるから。

A.「制度を使える雰囲気」
があるから。

私は2018年に結婚、2021年に長男を出産しました。世間にはまだ産休・育休をとりにくい雰囲気の会社もあると聞きます。そういう会社は復帰後も子どもの発熱などで早退するのも憚られる雰囲気があるのだろうと思うのですが、四谷学院は正直全くありません。管理職レベルの男性社員が、お子さんの体調不良で当たり前のように早退されます。お子さんの体調を気遣う空気はあっても、咎める人は1人もいません。私自身も2024年度に校長を拝命してからも、子どもの体調不良で何度も早退させてもらいました。もちろん家庭と仕事の両立は大変です。私の中では一生満足することはないだろうなという永遠の課題ですが、少なくとも両立したいと思っていることを認めたうえで評価してくれる会社や、一緒に働く社員の皆さんには感謝しかありません。就職活動で福利厚生がしっかりしているかを確認される方は多いと思いますが、産休・育休に関して言えば、『制度』はあっても『制度を使える雰囲気』がなければ人によっては結局「使いにくい」という感想になるでしょう。そうした働きづらさがないところも、四谷学院の特長だと感じます。

他の才能を開花させた人たち